言葉と声

 この間の新月の夜、一睡もできなくて思考ぐるぐるしている時に思いついたことが「そうだstandFM やろう」だった。想像の中の私はそれは楽しそうに流暢に喋っていて、想像しながらニヤニヤする始末。うん、いいかもしれない! 発信は7/7にしようとすぐに思った。
 そして、7/7の今日、いざ収録。スマホマイクを前に喋ろうとすると言葉が出てこない。え? あんなにもしゃべっていたのに? 喋りたいことはたくさんあるのに? 
 マイクの前で喋れない自分を見て、そういうことかと腑に落ちることがあった。

 私は歌を歌うことが小さい頃から好きで、そんなもんだから歌手になるのが夢だった。でもその夢は途中で手放して、10年以上前くらいからほとんど歌わなくなってしまった。そして気づいたら思うように声が出なくなっていた。主観だけど、声帯の動きがどこかうまく行っていない感じで。その状態は今もそうで、これを治さないと思うように歌えない。ましてや人前でなど到底無理だと。
 以前習っていたボイストレーニングを思い出しながら自己練習を始めてみたのだけど、トレーニングで治るものなのかという疑問もちらほら。もしかして病院案件なのか? でも、声を出さずしてこうなったから声帯結節などの類ではなさそうだし・・。
 ヒーリングができる友人に尋ねてみると、数人が全員「何か言いたいけど言えてないことない?」という。自分としては「いや、特に・・」と言った感じでピンと来ていなかったのです。
 でも、今日、マイクを前にして、自分が言葉を押し殺していることにはっきりと気づいた。これか! こういうことか、と。

 人前に立ったら、それがどんなにプライベートな時でも私はたいてい言葉を飲んでいたのだ。(もちろん、そうじゃない時もあります ^^)
 こんな誰もいない自分だけの空間で、自分だけが自由に喋れる環境にあるのに、誰が聞いているわけでもないのに、言葉が全然出てこないのだもの。喋ろうとすると逆に言葉が喉から落ちていく。上がってきては落としていた。それは、これは言うほどじゃないな、説明するの面倒だな、これは言い出すと長くなるな…などなど、基本縮小傾向な私の思考が働いて、どんどん思いは喉の奥へ胸の奥へ送られていく。詰まるっていう感覚もあった。
 そのことに気づいて、唖然とした。こんなこと全然気づかなかった。音声での発信に挑戦しなかったら、一生素通りしていた自信ある・・・。
 あぁ、なんか嬉しい。勇気だしてよかった。
 これに気づいたからといってすぐに声が治るわけではないと思うけど、これは個人的に大きな前進だと思っている。自分の気持ちや思いを音にして前に出すことは、やっぱり大事なことでかつ必要なことだったんだな。少しずつでいいから溶かしていこう。
 
 もう今日は収録後、この発見にあたふたして、これは今すぐ文章にして残さねば! と今これを書いているわけだけども、いずれはこういうことを喋ることで伝えられるようになったら、すごい成長だなぁ。

 ちょっと前だったら、到底考えられなかった音声配信を、今していることも信じられません。

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