演じることで見えてくる自分を

 先日、知人の即興演劇の二人芝居を観に行ってきました。
 「芝居」とか「演技」とか「演劇」とか、ここのところそういうワードが私の周辺でまた急に浮上してきて、なぜかソワソワしてしまう。
 というのも、私自身も芝居をしてみたいという願望があって、一時期そういう学校に通ったりしたのだけど、演技だけはどうもダメで。その後もプチ足掻きを何度もやるのですが、全然ダメでしたね…。やりたい気持ちはあるのに、なぜか行動できない感じで。

 演技ってある種、自分を脱ぎ捨てると同時に深く自分を掘ることでもあると思う。自分との対決でもあるかな。自我を離せずに表面だけで行ったそれは、客観視する自分がいることを知っていて、他人だけでなく自分に見られるのが恥ずかしくなって、余計に萎縮して解放できなくなってしまう。私はそこを乗り越えられなかった。

 そのしこりが今の私にもかなり影響しているなって、今回改めて思ったわけです。人に見られること、人前で表現すること、演技している自分を見せるということ、鳴りを潜めていたこの分野のことが、また少し目の前にやってきて何かヒントをくれているようです。(歌を歌うことは、こんな苦悩しなくてもできるのに…。同じ人前に出ることでも心持ちが全然違う…笑)

 そして、今回は即興劇だったこともあって、これがまたすごかったのです。即興であそこまでできるなんて、到底私には考えられません! 二人で上演するのは年1回のペースで行っていて、もう一人の方は一人芝居を年に何回か行っているそうです。一人芝居て! 
 どう考えても自分にはできないことをしている人を見ると尊敬の念しか湧いてこないものですね。しかも、ご縁のあったお一人は偶然にも私が通っていた学校の先輩だったのです! 彼女は卒業してからも芝居を続け、また違う養成所などに通うなどして腕を磨き続けていました。できな〜いなどといって、引っ込んでしまった私とは全然熱量が違います。

 何年も何年もやりたいことを続ける、そんなお二人の姿に背中を押され励まされる思いがしました。素晴らしいものを見せていただきました。こうしたご縁で今私がこういう気持ちにたどり着いていることにも不思議な気持ちでいっぱいで、またその巡り合わせに感謝で脱帽です。

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