本日は3月に販売する天然石を求めてミネラルフェスタに行ってきました。石を探している時にちょうどいいタイミングで開催されていて。
こういったミネラルフェアに行くようになったのは昨年あたりから。全てのものに行けるわけではないので、今回も初めての会場でした。
そんなにスペースとしては広くないところでしたので、お目当てのものは見つからないかなぁと一周したところで思いましたが、2店舗だけ選び甲斐のある天然石ビーズのお店がありました。こういったミネラルフェアには天然石ビーズが展示されているのは少ない印象で、今回も目星をつけたのは2店舗のみでした。
そのうちの1店舗にとてもきれいなアクアマリンを見つけました。そのお店は、まさに天然石ビーズだけを置いていてビーズ専門のようでした。たくさんのビーズが並ぶ中、そのアクアマリンに目を奪われ、これは美しいなぁと。いろんな形やグレードのものがあり、気になったそれは「1ct1000円」と書いてありました。え、いったいいくらになるんだろう・・・。だいたいのお値段を聞くと32,000円くらいからとのことでした。
長らくそのアクアマリンとにらめっこした後、即決はできず、他を見てくると言っていったんその場を離れました。その間、いろんなことを考えます。
30,000か〜、ちょっときついなぁ。
あの連のビーズ数ですぐに全部売れるわけではないしなぁ…。
うーどうしよう。
でも、中途半端な品質のもので安く出すよりも、できるだけ品質のいいものを提供したいしな…、これからの運営方針のことなどもあれこれ考え、
でも、やっぱきついんだよなぁ…。の繰り返し。
その間にもう1店舗の方にもいいアクアマリンがないか探しにいきました。でも、そこにはアクアマリンがほぼありませんでした。あっても欲しい形がない。それでもそこには綺麗なカットのビーズがたくさんあり、ここでも長居し、吟味して一本素敵なビーズを仕入れることができました。予定していた石と違う石でしたが。
さぁ、ここで勢いがつきました私。私あるあるなのですが、何かひとつ購入できれば次の購入へのハードルが低くなり、勢いがつくのです。最初の財布の紐は硬いのですが、それが解かれてしまえば…ってやつです(笑)。
先ほどのお店に戻り、またアクアマリンとにらめっこです。インド人のお兄さんも、来たね、とばかりにすぐにトレーに何連かのアクアマリンを乗せてくれました。ここからまた長時間の吟味が始まります。大きさや美しさ、それ以外にもビーズのグラデーションの仕方や穴周りのきれいさなど細かくチェックします。ミネラルフェアでの購入は、こうやって直に手に取って石を選べるのがいいところですね。ありがたいです。
何本か絞った挙句、それらがいくらになるか聞いたところ、先ほど見積もった金額より高い金額が! 量り売りなので仕方がないのですが、それでまた私、ひるんでしまい…、グレードの低いビーズを吟味し出す始末…。あぁ、何やってるんや私…。経済力よ、私に来い! などと思っても今すぐに叶うわけもなく。
そんな私を見かねてインド人のお兄さんは、本来はこの金額だけどといいつつ、この金額でどうですか? 現金払いだったらこれでいいよ、などと値下げを提示してくれました。それでも私には少し高かったので躊躇してしまっていたのだけど、ずっとそのアクアマリンとグレードが下のアクアマリンを見つめて悩んでいたら、とある瞬間に「ま、いいか! なんとかなるか」って軽くなれたのです。やはり、お届けしたいのはこっちの石だ。
どこか吹っ切れて、ようやくお兄さんに「では、こちらください」ということができました。現金は持ち合わせてなかったので、カード払いで。きれいなアクアマリンを受け取って、手続きを済ませたレシートをみると、なんと現金払いならこの金額でいいよ、と言ってくれていた金額でした。もう、なんと言えばいいのでしょう。その心意気に脱帽でした。
お兄さんだって、本来なら定価で売りたかったはず。売れないより売れた方がいいのだろうけど、あんな品質のいいものを割り引くのにはお兄さんにもお兄さんなりの決断があったはず。
私が散々悩んでいた時に、お兄さんは片言の日本語で「あなたは作って売っているの?」と聞かれ、「はい、webショップ持っています」と言ったら「東京で?」と聞くので、「はい、東京で」と。お兄さんは、「僕も今度東京に店舗出すんですよ。今は大阪だけど、準備中で。」と。もしよかったらきてね、と聞こえました。
全然規模は違うけど、同じ「ものを売る」という商売をしている同志のような気持ちに勝手になっておりました。お兄さんはもしかしたら、ただ宣伝したかっただけかもしれないけど、そんなふうにも聞こえず。そして、会計時にこの優しさですよ。
この一連の出来事で、私はきれいなアクアマリンを厳しい! と思いながらも吹っ切れて購入できましたが、このお兄さんの心意気、優しさ、さらに応援の気持ちまでもらったような気がしました。本当にありがたいことで、ありがたい経験です。
そして、残念でならなかったのは、私がその品を購入する時に「厳しい!」「高いけど…」「でも、仕方ない」など後ろ向きな気持ちの割合のが断然多い状態で購入してしまったことです…。何の憂いも嘆きもなく、ただただよい品をありがとう、と思ってお支払いしたかった。
この品は本当に高い品だったでしょうか?
物の売買や金銭のやりとりは、表面的な額面上だけのものではないことを体験させてもらった気持ちです。ステキな買い物でした。